・共著『思春期サバイバル』好評発売中です(←この左横にある本です)。
季刊セクシュアリティにエッセイを書きました 
Synodosに記事を書きました 
・9月27日、大阪市淀川区で講演します
・10月に大阪で開かれるセクマイ支援全国大会で分科会やります。 
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記憶と情熱の新鮮なうちに記録をばシリーズ。 

スタディツアー1日目の様子はこちら:「LGBTとガン」 
スタディツアー2日目の様子,呂海舛蕁Аコミュニティセンター
スタディツアー2日目の様子△呂海舛蕁АNY大のセンター
スタディツアー3日目の様子,呂海舛蕁Аgoogleの社内グループ」 
スタディツアー3日目の様子△呂海舛蕁АLGBTの高齢者デイケア
スタディツアー4日目の様子,呂海舛蕁Аトランスの法的サポート

TLDEFの後は、LGBTで精神疾患を抱える人たちのためのデイケアを訪問しました。
 
その名もRainbow Heights Club
ビルの1フロアを借りて、ミーティングのための部屋やキッチン、ちょっとしたカウンセリングのための部屋が用意されています。住所の情報は無し、ここの利用者は基本的には会員制みたいです(非会員のアクセスは回数制限などがある模様)。下のフロアにはカウンセリング機関があって、自傷他害のおそれのあるときには主治医に連絡をとるそうです。

精神疾患の中でも、ここではアルコール依存症や薬物依存症に加えて、さらにうつ病や境界性パーソナリティ障害(BPD)、躁うつ病などの問題を抱えている人がメイン。

・DSMの定義の中でaccess 1に該当すること(そこまで深刻ではないこと?)
・場の安全を守るためのルールを守ること
・しらふであること
・現在、きちんとセラピーに定期的に通っていること
・できれば処方薬服用をしていること
・LGBTであること


が利用の条件で、夕飯を一緒に作って食べたり、様々なテーマについて自助ミーティングで話したり、アートやカラオケを楽しんだりできます。
その日の夕飯は、チキンのせご飯でした。

ミーティングでは、はじめに呼ばれたい名前と、呼ばれたい代名詞を名乗ることから始めます。
He,Sheの他には、ZeやTheyといった、性別を問わない代名詞もあって、これによってお互いの性自認を尊重しあえるようになるそうです。これを最初にやるのは、すげーな。

日本でもここでもLGBT当事者には依存症の問題を抱えている人が多くて、昨今はLGBTの関わる自助グループも多く現れているようです。

※こちらの相談先リストに詳しいです。
LGBTと周囲の人のための相談機関一覧

私もごく親しい人たちが苦労しているのを観てきたし、むしろその炎の中にいるので、個人的な相談もしてみたところ、「セレニティ・プレーヤー(平安の祈り)って知ってる?」と言われました。

神様、私にお与えください。
変えられるものを変えるつよさを、
変えられないものを受け入れる落ち着きを、
そして、ふたつのものを見分ける賢さを。


……ここでも、新しい画期的な方法なんか、やっぱりないんやろか。

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この施設ではNo Use(いっさい使わない)という文化を大切にしていて、基本的にはセンターの利用は「しらふ」の人に限定されているけれども、ミーティングの中では「ハーム・リダクション」について話す会もあるそうです。

ハーム・リダクションとは、薬物をまだやめようと思っていない/やめられない人が、少しでも危害を少ない方法でサバイブしていくためのサポートをしようという考え方で、おいらがこれまで習ってきた中では、

・ニードル・チェンジ(衛生的な針を渡すことで、HIV感染などを防ぐ)
・決められた部屋での薬物利用を促す(安全なところで使ってもらう)
・生活相談や愚痴、ご飯の作り方などの話をしつつ、生活力を向上する
・薬物使用について御説教しない(孤立を防ぐ)


などが該当する模様。

ハーム・リダクションの文化と、No Useの文化ってたぶん考え方が結構違うように思うんだけど、その辺はあまり突っ込んで訊けませんでした。

No Useの文化だと「周りの人は何もできない。底つきするしかないよ」と多くの人が言うんだけど、「底つき」するまでにボロボロになっちゃう人は多いし、新たな外傷を得たり、10年も20年も「回復」のために時間がかかる現状って「しんどいなぁ」と思ってます。

でも、依存症ってそういう「しんどいなぁ」そのものなんやろなぁと思うことがあったり……。
おいらは依存症者当事者ではないから、一番「しんどいなぁ」なんは、その人なんやろけど。
 
このセンターでは、「おれ、ここでも差別されてるんちゃうか」「いっぱい説明して闘わないと自分のいられる場所がなくなってしまうんちゃうか」って必要以上に疑わなくて済むようになるのは、すごくいいと思ったし、ここがあったら気持ちが救われるかもな、という日本の友だちの顔がちょっと浮かびました。